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【社長インタビュー】アメリカでの経験が生んだデンソーの経営スタイル
こんにちは。デンソーDnote編集チームです。
今回は、代表取締役の岡社長にインタビューしてみました!
これまでも社長から気さくにお話しいただく機会はありましたが、デンソーで行ってきた取り組みや、現在の取り組みについて直接深くお話するタイミングはなかったので、このDnoteの企画を使って直接社長の想いを聞いてみよう!となり、インタビュー記事を作成する流れとなりました。
いざインタビューを始めると、初めてお伺いする内容が盛り沢山でした!
なので、2部に分けてお送りしたいと思います(^^♪
今回は、デンソーに入る前の経歴から働き方改革、人材育成の想いについてです。
デンソー社長の経歴とアメリカでの経験
──社長の経歴について教えてください。
1959年11月15日に大阪府八尾市で生まれ、小学4年生の時に大阪府羽曳野市に転校しました。高校卒業後、和歌山大学に進学し、1983年に阪急交通社に就職して東京・品川営業所に配属されました。1987年から1998年までの11年間、アメリカのシカゴに駐在し、1990年頃から支店長を務め、最終的には30人のアメリカ人社員を率いていました。
──アメリカ駐在時代、どのようなことをされましたか?
アメリカ駐在中の主な実績としては、阪急交通社で初めてシカゴに自社倉庫を作ったことです。その企画は私が担当しました。また、シカゴ近くのシンシナティとミネアポリスに営業所を作り、メキシコとの国境の町であるテキサス州のマッカレンにも営業所を設立しました。
──アメリカでも筆頭となって沢山の実績を残されていたんですね。
──デンソーに入社されたのはいつですか?どのようなポジションからスタートされましたか?
1998年にアメリカから帰国し、1999年4月にデンソーに入社しました。最初は営業の課長として働き始め、すぐに東京に事務所を作りました。当時、デンソーは神戸と京都に事務所がありましたが、東京にはなかったので、東京のお客様を開拓するために2001年頃に東京事務所を設立しました。
また入社して5年後の2004年に社長に就任し、現在は社長として21年目を迎えています。
──アメリカでの経験が現在の経営スタイルに影響しているのでしょうか?
アメリカでの11年間の経験は、いい意味でも悪い意味でも大きな影響を与えています。特に自己主張の重要性については、かなりアメリカ的な考え方に染まっていると思います。自分の意見を持ちながらも、周りの人とうまく調和してやっていくことが大切だと考えています。
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働き方改革への取り組みと成果
──働き方改革に取り組むきっかけとなったのはどのような経験でしたか?
アメリカで11年過ごした時に、アメリカ人の生活を見たことがきっかけでした。彼らは仕事をちゃんと定時に終え、すぐ帰宅し、家族サービスをしていました。一方、当時の私は朝7時に出社し、夜11時まで働いていたので、彼らの働き方を見て、どちらが人間らしいのかと思ったのです。日本式の働き方に疑問を持ち、仕事一辺倒ではなく、趣味や他の活動を持つことの大切さを感じていました。
──具体的にどのような働き方改革の取り組みを行ってきましたか?
実は2017年頃にテレワークについての論文を読んだりと、以前から関心を持っていたため2018年から2019年頃に、テレワークの導入を始めました。育児や介護、病気や怪我などの事情がある社員でも働けるよう、両立支援の観点から取り組みました。2020年3月にはリモートワークの基盤が整い、コロナ禍でもほとんど休むことなく業務を継続できました。テレワークの延長線上で、フレックスタイム制も導入しています。
──テレワーク導入による課題はありましたか?どのように対応しましたか?
テレワークを始めた当初、本社はまだ一般的なレイアウトで、グループごとに島があり、自分の机が並んでいました。社員からコミュニケーション不足の意見が出てきたため、不特定多数の人と接する機会を作るために、フリーアドレス制の導入を決めました。働き方が変わったことを社員が実感できるよう、事務所のリニューアルを行いました。
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──事務所のリニューアルでは、どのようなコンセプトを重視しましたか?
事務所の定義が変わったと考えています。以前は事務所は全員が集まって情報共有する場所でしたが、テレワーク下では働く場所の一つでしかありません。いかに快適に過ごせるかという観点を取り入れ、リニューアルを行いました。また、デジタルツールの導入にも取り組み、例えばAlexaやコミュニケーションAIロボット「newme」、リモート会議用360度webカメラ「KAIGIO CAM360」を実証実験として導入することで、社員がAIに触れる機会を作っています。
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──働き方改革の取り組みを通して、どのような変化や成果がありましたか?
2020年、2021年はコロナ禍にも関わらず、売上が良かったことが一つの成果だと思います。テレワークの基盤を予め整えていたことで、ほとんど休むことなく業務を継続できました。社員の働き方や会社の雰囲気も大きく変わってきていると感じています。
──今後の働き方改革の展望について教えてください。
これからはクラウドオフィスやバーチャルオフィスのようなツールを使って働くことがあるかもしれません。コロナ禍の時は出勤できない中、バーチャル空間にアバターで入れる事務所を作ったりしました。デジタルツールの活用をさらに進め、AIなどの新しい技術にも社員が触れる機会を増やし、活用方法を模索していきます。同時に、社員一人一人のワークライフバランスを大切にし、仕事と生活の調和が取れた働き方を追求していく方針です。働き方改革は継続的な取り組みであり、社員の意見を取り入れながら、より良い方向へ進化させていきたいと思います。
人材育成と求める人材像
──人材育成についてどのような考えをお持ちですか?
人材育成においては、自立型の社員を育てることを重視しています。与えられた仕事をこなすだけでなく、自ら考え、行動できる人材が求められます。会社の理念である「創意工夫と人の和」についても、人の和というのは単に仲良くしましょうということではありません。そのためには、社員一人一人が自分の意見を持ちつつ、周りと調和していくことが大切だと考えています。ただ、調和するというのは同調するということではなく、自分の意志をしっかり持つことが重要です。また会社としては、社員が自己研鑽に励める環境を整備することが重要です。研修制度の充実や、チャレンジする機会の提供など、社員の成長を支援する体制づくりに力を入れています。
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──求職者や在職者に期待することは何ですか?
求職者や在職者に期待することとしては、やはり自己主張であり、自立型の人材になってほしいと思います。指示待ち人間になるのではなく、自分で考えて行動できる人材が求められます。これは私のアメリカでの経験が大きく影響しています。アメリカ人は自己主張しないと負けてしまうので、自分という存在をもっと大事にしてほしいと思います。
デンソーという会社も、業界の中で周りとうまくやっていくことは必要ですが、同時にデンソーならではの独自性を打ち出していくことが重要です。ブランディングなどを通じて、「これはデンソーさんだな」と言われるような部分を大切にしていきたいと考えています。それは会社としてだけでなく、個人としても同じで、「この件の相談は●●さんだな」と言われるような独自性を持ってほしいと思います。
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インタビュー前編は以上となります!
入社してはや4年目となりますが、もう4年目?となるほど、入社してから今まで様々な取り組みが導入されました。
周りと足並みを合わせるのではなく、一歩先を見据えて常に挑戦される姿勢は、少なくともアメリカからの経験からきていたことを知れて、いい機会となりました!
私ももっと沢山揉まれて、デンソーの一員となれるよう自分のブランディングをしていきたいですね(^^♪
さて、次回はインタビュー記事の後編「新技術の取り組み」についても掲載予定となっております。
ぜひお楽しみにお待ちください!